FXでは、為替差損益によって利益を得る通常のトレードの他に、スワップポイントによって利益を得る方法があります。
トレードによる為替差益にから得る収入をキャピタルゲインと呼ぶのに対し、スワップポイントによる収入はインカムゲインと呼ばれます。
FXトレードにおいてスワップポイントは非常に重要なものですので、まだFXを始めたばかりの方やスワップポイントについて知らなかった方は今回の記事で簡単に理解して下さい!
今回の記事を読むとどうなるか
- スワップポイントについて理解できる
- FXにおけるインカム収入の仕組みが分かる
- 通貨の交換において金利がどう影響するのか分かる
動画解説
まずは動画解説をご覧ください。
FXにおけるスワップポイントとは何か
「スワップ」「スワップ金利」「スワップポイント」といういずれかの表現を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
厳密に言えば、これらは全て違う意味を持ちます。
しかし、FXトレードの世界でこれらの言葉が使われた場合には全て「スワップポイント」のことを指していると考えてほぼ間違いないので、ここでは「スワップポイント」について説明していきます。
スワップポイント
スワップという言葉は、英語で「交換する」という意味です。
スワップポイントとは、その名の通り通貨と通貨の交換によって得られる利益のことを示します。
イメージ的には預金から得られる利息のようなものです。
日本で日本円を銀行に預けておけば、利息を受け取れますよね。
日本は長年超低金利政策を維持していますので、雀の涙ほどの利息すら受け取れませんが(涙)
話を元に戻しますが、スワップポイントは単に預金から得られる利息とは多少異なります。
FXトレードでは、通貨と通貨を交換することはご存知ですよね。
この交換された2通貨間の金利差がスワップポイントになります。
スワップポイントの計算方法
スワップポイントとは、交換された2通貨間の金利差から生じる損益のことです。
例えば、年利0.1%の通貨を売って、年利4.1%の通貨を買うと・・・
4.1%-0.1%=4.0%
となり、年間4%の金利を受け取れることになります。
買った通貨の金利-売った通貨の金利=スワップポイント
という式で計算できますね。
FXスワップポイントに関する注意点
スワップポイントはFXにおける主要な収入源の1つですが、どんな通貨ペアで取引しても必ず利益を得られるわけではありません。
ここでは、スワップポイントに関するいくつかの注意点を説明します。
スワップポイントにはマイナスもある
スワップポイントは買った通貨の金利と売った通貨の金利の差です。
つまり、高金利の通貨を売って低金利の通貨を買えば、スワップポイントはマイナスになります。
年利4.1%の通貨を売って年利0.1%の通貨を買うと、
0.1%-4.1%=年間-4.0%のスワップポイントの支払いが生じることになります。
各通貨の金利は変動する可能性がある
スワップポイントは、あくまで各国通貨の金利が基本となります。
各通貨の金利は、当然ですがそれぞれの国の金利政策によって変動する可能性があります。
低金利通貨を売って高金利通貨を買っていたつもりでも、金利政策の変更によって通貨間の金利の高低が逆転すれば、今まで受け取れていたスワップポイントを今度は支払うことになります。
スワップポイントの受け取りを目的とした長期保有型トレードをする場合は、最低でも自分が売買している通貨の金利政策には注意を払う必要があります。
FX業者によってスワップポイントは異なる
スワップポイントの仕組みについてはこれまでの説明でご理解頂けたと思います。
しかし、こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか?
「FX業者によってスワップポイントが違うんだけど、なんで?」
確かに、各国の政策金利はそれぞれの国に1つしかありません。
それなのに、業者によってスワップが違うのはおかしい気がしますよね。
これは、FX取引の多くが相対取引であることによります。
FXでは、株式等と異なり、実際に具体的な市場があるわけではありません。
1つの巨大なバーチャル市場の中で、FX業者を使って相対取引をすることになります。
そのため、どの通貨ペアにどういうスワップが付くのかは業者が自由に決めて良いわけです。
何言ってるか分からないという方はとりあえず、
「業者が決めた取引条件の下で取引するのがFXの取引」
とだけ覚えておいてください(笑)
スワップポイントによるインカムゲインを目的とするトレーダーは、自分が取引する通貨ペアに対してできるだけ有利な条件が提示されている業者を選ぶ必要があります。
まとめ
FXにおけるスワップポイントは、取引する2通貨間の金利差によって求められ、当然ですがスワップポイントを受け取れるケースと支払う必要があるケースの両方があります。
また、各通貨の金利は各国の金利政策によって変更される可能性があるため、今までスワップポイントを受け取っていたのに、ある日突然支払う側にまわってしまうことがある点にも注意が必要です。
スワップポイントはFXトレードで収入を得る手段の1つですが、最初からスワップポイントだけを目的としたトレードにこだわることはオススメできません。
保有通貨の価格が暴落した場合などは、受け取ったスワップポイントを大きく超えて損失が発生する可能性があります。
そのため、スワップに固執して売り時を逃がすと、大きな含み損を抱えて動くに動けなくなってしまいます。
既に資金的に余裕があり、超長期保有のインカムゲインでも十分な利益を得られるという場合を除き、FX初心者の方はまずは短~中期トレードで相場を読む力をつけることをオススメします!