ダウ理論による目線の固定でよくある間違いについて、こちらの記事で解説しました。
今回は、目線の固定間違いあるあるその②ということで、よくあるもう一つの間違いについて解説します。
その①と併せて理解すればダウ理論についての理解がかなり深まりますので、セットで読んでみて下さい!
この記事を読むとどうなるか
- 目線の固定でやってしまいがちなミスが減る
- 機械的なトレードから脱却し、本質的なトレードができる
- 目線の固定と重要な価格がごっちゃにならない
動画解説
実際のFXチャートで理解を深めるために動画解説もご覧ください。
FX目線の固定で最も多い間違い
以前の記事ではダウ理論による目線の固定で最も多い悩みについて解説しましたが、今回は目線の固定で最も多い間違いについてです。
明白な転換シグナルについてしっかり理解し、自信を持ったトレードができていてもやってしまいがちなこの間違いは、
「明白な転換シグナルが出た瞬間に逆方向にエントリーをする」
「固定方向に無条件にエントリーをする」
というものです。
このエントリーは、
- 明白な転換シグナルが出ても逆方向にトレンドが出たとは限らない
- リセットによって目線の固定からは消していた箇所に裏価格が潜んでいる
という2点を理由に間違いであると言えます。
ハッキリと目線を固定してトレードしている方にこそありがちな間違いである点も特徴的です。
明白な転換シグナル≠逆方向へのトレンド発生
ダウ理論上の真安値に水平線を引き、目線を固定している方は多いと思います。
水平線を引いて目線の固定を可視化することはとても重要ですが、この水平線のブレイクをブレイクアウト戦略と混同して使ってしまいがちな点は要注意です。
もちろん、相場状況によっては目線を固定する基準となっている水平線のブレイクとブレイクアウト戦略上有効なブレイクが一致することもあります。
但し、目線の固定はあくまで目線の固定です。
それが崩れたからと言って、逆方向へのトレンドが発生したのか、飛び乗りでエントリーして良い程強いエネルギーが溜まっていたかは状況によります。
真安値・新高値はそれだけで重要な価格になり得ますが、チャートを無視して機械的にブレイクエントリーをしてしまうとなかなか勝てなくなってしまいます。
リセットによって陰に隠れた裏価格
ダウ理論による目線の固定では、重要な価格との混同を避けるため、真安値・新高値の定義が崩れるか更新された時点でリセットしながら考えることをこちらで解説しました。
この「リセット」は現在の相場において目線をどう固定するかを明確にするために必要な作業なんですが、リセットされた価格が重要でないという意味ではありません。
このことを理解していないと、
「リセットしたから関係ないや」
といった調子で重要な価格を無視してしまい、目の前に潜む重要なサポートやレジスタンスに跳ね返されてしまうことになります。
このリセットされたけど重要な価格である「裏価格」については、単に明白な転換シグナルが出た時だけでなく、通常のトレンドが継続しているような状態でも意識する必要があります。
こんな感じで、下降トレンドが崩れ、上昇トレンドが発生している状況でも、裏価格は意識されています。
この「裏価格」を無視して買ってしまうと、裏価格に跳ね返されてしまうことになります。
FXの裏価格はどう見つけるか
裏価格が大事なことは理解できたけど、チャートのどこに重要な価格が潜んでいるかなんて分からない!という方もいると思います。
難しく考えずに、単純に強いエネルギーの起点になった箇所だと考えれば良いです。
例えば、
- 長い揉み合いの末のブレイクの起点
- 非常に強く伸びた波やロウソク足の起点
といった箇所が重要な価格です。
まあこの2つはほぼイコールと言っても良いのですが、揉み合いが無くても強い波が発生することはあるので2つに分けました。
チャートを見て、見た目で明らかに目立つような箇所であれば大体強い箇所なので、普段からチャートを見ている人は簡単に見つけられると思います。
まとめ
ダウ理論による目線の固定はトレード方向の迷いを断ち切る上では極めて有効ですが、それだけで無条件にエントリーできるものではありません。
既にリセットされた価格であっても、過去に大きなエネルギーが発生した箇所は「裏価格」としてパワーが残っています。
目線は固定しつつ、「裏価格」を意識したトレード戦略を立てれば、エントリーの方向性だけでなく、利確や損切りの目標値までより正確に捉えることができます。
ダウ理論に限らず、新しいことを覚えると、そこに拘るあまり逆に視野が狭くなってしまいがちです。
どんな理論やテクニックもFXチャートを分析するためにあるので、1つの理論やテクニックに拘って全体像が見えなくなってしまっては本末転倒です。
慣れるまでは大変ですが、必死になりすぎて単一的で機械的なトレードになってしまわないように気を付けて下さい!
おはようございます。
いつも記事を拝見し、勉強させていただいてます。
こちらの記事で良いのかわからないのですが、フラクタル構造についてご質問させてください。
私自身で勉強は行なっているのですが、第1波から第3波の経過で、どの形が第1波なのか第2波なのかわからない状態です。
これが第1波で、これが第2波と見分ける方法がありましたらアドバイスを可能な範囲で教えてもらえたらと思います。
お手数ですが、よろしくお願い致します。
コボさん
コメント頂きありがとうございます^^
フラクタル構造というのは、大きな一つの波は小さな複数の波で構成されているという考え方ですので、1波と2波の見分けとは異なる概念になります。
例えば、大きな波で考えた時の3波の中に、小さな波で見た1波~5波が含まれているという考え方がフラクタル構造です。
各波の特徴につきましては、以下の記事で解説しておりますのでそちらを参考にして下さい。
http://fxtrader.jp/elliott-motive/
引き続きよろしくお願い致します。
shoさん
返信ありがとうございます
わかりやすい解説をありがとうございます。
本では難しく書いているので、助かりました。
この度はありがとうございました。