こんにちは。
前回の記事では、ダウ理論で最も重要な定義について確認しました。
今回は、その他5つの定義について解説していきます。
早速今回のテーマに入っていく前に、サブタイトルの意味について。
「初心者こそ基礎を大事に」
これ、本当に大事なことです。
ダウ理論というのは、本当に全てのトレーダーにとって必須の基礎知識です。
細かい知識を復唱できる必要はありませんが、しっかり理解しておく必要があります。
ダウ理論について、「トレンドは継続する」くらいの理解でいる人が本当に多いです。
「明白な転換シグナル」という部分の理解が大事だということは、
前回記事で解説しましたよね。
そこで、
「理解できた!良かった~」
で終わってしまった方、惜しいです。
惜しいというか、少し詰めが甘いです笑
「トレンドは明白な転換シグナルが出るまで継続する」
という定義は、確かにダウ理論で最も重要な定義です。
ですが、他5つの定義が重要でないということではありません。
ダウ理論の定義は、相場の本質を知る上でどれも欠かせないものです。
全部で6つしかない理論なので、せっかくなら一気に覚えちゃいましょう。
平均は全ての事象を織り込む
要するに、市場価格は全ての事象を織り込み済みだということです。
経済指標や政治状況、自然災害等相場に影響を与えうる全ての事象は価格に反映されている。
という考え方です。
つまり、
「全てのファンダメンタルズに対する市場参加者の心理状況を反映したものが値動き」
ということですね。
値動きそのものが情報を示している
過去のあらゆる事象やそれに対する市場参加者の心理は過去の値動きに現れています。
であれば、値動きこそが最大の情報源であると言えるでしょう。
個別の情報を追っていてはキリがないですが、値動きを追えばすべての情報を得たことになります。
過去の値動きから、大衆心理を把握し、今後の値動きを予想するわけですね。
好材料が出たのに価格が下落する
悪材料が出たのに価格が上昇する
こういった現象は、この定義から説明がつきます。
値動きが、
「期待」を織り込んでいたため、特にサプライズがなく下落した
「悲観」を織り込んでいたため、悪材料出尽くしで上昇した
といった感じですね。
ニュースや指標に振り回されて退場する人が多いのは、この定義を理解していないからです。
トレンドには3種類ある
ダウ理論の考え方の基礎である「トレンド」は3種類に分けることができます。
- 主要トレンド:1年~数年続くメインのトレンド。値動きを大きく決める。
- 二次トレンド:数週間~数か月単位のトレンド。調整トレンドであり、主要トレンドと逆に動く。
- 小トレンド:数時間~1か月未満のトレンド。調整トレンドであり、二次トレンドと逆に動く。
FXにおける値動きは、これらのトレンドが相互に作用して形成されています。
主要トレンドは3段階からなる
当然ながら、トレンドには始まりがあれば終わりもあります。
ダウ理論では、主要トレンドを
- 先行期(トレンドが始まる段階)
- 追随期(本格トレンドの段階)
- 利食い期(トレンドが終わる段階)
の3段階からなるとしています。
各段階によって、市場参加者の心理は異なります。
それぞれの心理状態を把握していれば、トレンドを味方につけることができます。
それぞれの心理状態は
先行期
多くの投資家は悲観的で手が出せないが、先行投資家が打診買いを始める
追随期
多くの投資家が安心して買い始め、先行投資家は売り時を考え始める
利食い期
初心者を含む多くの一般投資家が買い始め、先行投資家は利益を確定する
利食い期になるとメディア等で大々的に取り上げられ始め、好況感がピークに達します。
世間が強気になった時が利食いのサインとも言えます。
先行期にエントリーできれば理想ですが、高度なテクニックと相場把握力が必要となります。
まずは追随期にエントリーし、利食い期に利益を確定できるように心がけましょう。
平均は相互に確認されなければならない
単一でなく、複数の指数や分析によってトレンドを確認する必要があるということです。
具体的には、
- 複数移動平均線による相互確認
- 相関性のある通貨や指数による相互確認
といった方法で平均を相互に確認していきます。
移動平均線による相互確認
短期移動平均線が上向きなら上昇トレンドと言い切れるでしょうか。
ダウ理論では、それだけではトレンドと断定するには弱いと考えます。
短期・中期・長期すべての移動平均線が同じ向きであれば、トレンドが発生していると考えます。
相関性のある通貨や指数による相互確認
ドル円の上昇トレンドを他通貨と相互に確認したい場合であれば
「ドル円と逆相関関係にあるユーロドルが下落しているから、本物の上昇トレンドだろう」
といった感じで確認します。
他通貨だけでなく、ドル円に相関性の高い指数等でも同様に相互確認が可能です。
- ダウ工業株30種
- 日経平均225
- 中央銀行の政策金利
- 米10年国債
といった指数や金利はドル円に強い相関を持つことは知っておきましょう。
実際にFXでトレードをする際に、これらを全て確認する必要はないです。
但し、短期移動平均線が上向きだから上昇トレンドだ!
という感じであまりに視野が狭くなると根拠あるトレードは難しくなります。
トレンドは出来高からも確認されなければならない
出来高を確認することで、トレンドの継続性を予見することができます。
トレンド方向に従って取引をする市場参加者が多数派です。
つまり、出来高を伴うトレンドは継続性が高いと判断できます。
FXでは出来高を正確に把握することはできませんが、FX会社によっては確認可能です。
例えば、当ブログでオススメしているXMであれば、MT4から出来高を確認できます。
出来高の確認はFX会社によっては不可となっている上に、その会社内の出来高しか表せません。
あまりに小さいFX会社とかだとあまり意味がないかもしれませんね。
会社毎の出来高確認の他に、為替先物の出来高による確認等もあります。
ですが、先物の知識が必要になります。
為替の出来高はそもそも正確には把握できないので、参考程度に理解しておいてください。
まとめ
ダウ理論はFXで取引を行うにあたって、基礎中の基礎となります。
- トレンドは明白な転換シグナルが出るまでは継続する
- 平均は全ての事象を織り込む
- トレンドには3種類ある
- 主要トレンドは3段階からなる
- 平均は相互に確認されなければならない
- トレンドは出来高でも確認されなければならない
以上6つの定義は全て理解しておくことをオススメします。
初心者の方程、基礎理論を軽視してしまう傾向がありますので、しっかり確認してくださいね。