FXトレードで最もチャンスと言える局面はどんな時でしょうか。
これは当然、自分が一番得意なところや、複数のエントリーサインが重なったところ等が答えになるでしょう。
ですが、最も相場が伸びやすく、値幅が狙える具体的なタイミングはどこかと問われたら、天底や天井での売買や、相場が動き出す瞬間という答えが自然でしょう。
つまり、相場の転換点や、急激に相場が動き出す局面だと言えます。
このような相場の強い動きは、どんな時に発生するのでしょうか。
今回の記事では、そういう局面を発生させる人間の心理について解説していきます。
この記事を読むとどうなるか
- 相場が強く反転するタイミングを捉えやすくなる
- 大衆心理を利用したトレードができるようになる
- 日常をトレードに落とし込めるようになる
パターンで理解する相場が強く伸びるポイント
相場が大きく動くポイントと聞いて、パターン的に思い浮かべる箇所はどこでしょうか?
細かく挙げればキリがないですが、ザックリ分けると
- 長いヒゲ
- ダマシ
- 長い揉み合いを経てのトレンド転換
といった感じではないでしょうか。
「はい、じゃあこのパターンを覚えてください」
ではつまらないというか、全く実践で使えません。
そこで今回は、本質的になぜこういう場面で相場が伸びやすいのかを掘り下げていきます。
FXも日常も予想外に大きく反応する
さて、FXに限らず、世の中で大きなニュースになることや、多くの人が惹きつけられるものにはどんな特徴がりますか?
1つの共通点と言える特徴を挙げれば、それは「予想外」という点ではないでしょうか。
誰もが無理だと思い、「絶対無理だ」と言われていることを誰かが達成した時、それは大きなニュースになり、それまで否定的だった人達までも惹きつけてしまいます。
あるいは、「お前には無理」みたいに思われていた人が、何かを成し遂げた時にも同じような現象が起きるでしょう。
野球界の常識をぶち破った大谷翔平
僕は野球好きなので、頻繁に野球や野球選手を例に出してしまうのですが、野球に興味が無い人でも大谷翔平のことは知っているのではないでしょうか。
投手と野手を両方こなす二刀流の選手として大活躍していますが、二刀流を目指すと表明した当初のバッシングや批判的なコメントは凄まじいものがありました。
誰よりも野球に詳しいプロ野球のOB達のほとんどが、「絶対に無理だ」と言って二刀流をバッサリと否定しました。
しかし、投手では165kmの剛速球を投げ、打者としてもホームランを打ちまくり、見事に大成功を収めると、掌を返したように世間が一斉に大谷翔平に対して称賛の声を送りました。
ボロクソに叩いてたくせに調子良いなこのオッサン・・・みたいな人もたくさんいましたが、まあ人間なんてそんなもんですよね(笑)
あるインタビューで大谷選手が
「批判されるのは面白くないけど、無理だと言われる程、自分がやったことの価値は高くなる」
といった発言をしていたことが印象的です。
これはまさしく、偏見からの反動によって世間の評価が大きく動くことを示しています。
誰もが「それくらいできるよね」「まあ普通に考えてこれくらいの成績になるでしょ」と思う成績を残しても、全然印象に残らないですよね。
なぜなら、それは「予想通り」だからです。
予想外の事態が起きた時に、世間の注目が一気に集まるわけです。
不良がテストで平均点を取ると称賛される
大谷翔平の例は日本を代表するスーパースターの例ですが、アスリートが偉業を達成したり、人工知能がプロ棋士に勝ったりといった、とてつもないスケールの出来事にだけ当てはまる話ではないんです。
例えば、学校でクラスに1人はいた不良。
普段ヤンチャばかりして全然勉強せず、テストも赤点ばかりだった不良君が、期末テストで60点を取ったとします。
60点が平均点くらいだとしたら、別に凄くもなんともない普通の成績ですよね。
でも、先生を始めクラスの皆から称賛されまくる。
「よく頑張ったね!」
「凄いじゃん!やればできるんだ!」
みたいな感じで。
逆に、いつも60点くらいの人は何も褒められないし、いつも80点くらいの人は逆に「どうしたの?」みたいになる。
なんか不公平ですよね(笑)
僕は学生時代に結構勉強していたタイプなので、ちょっと普通の点を取ったくらいでチヤホヤされている人を見て、「なんか納得いかない・・・」なんて思ってました(笑)
この話で言いたいことも、偏見からの反動で周囲の反応が大きく動かされるということです。
いつも白紙に近い答案を出してくる不良という固定イメージがあり、60点という数字はそこから大きくかい離してるわけです。
こうなると、人々の心は大きく動かされるんですね。
ヒゲやダマシは偏見からの反動
話をFXに戻すと、ヒゲやダマシも偏見からの反動なんです。
正確には、偏見からの反動が起きそうな兆候を示しています。
例えば、下落相場で長い下ヒゲが現れた時。
「下降トレンドに乗ってドンドン下がってきたので、この調子で下がりそうだな~やっぱり下がった!」
の部分が、ヒゲになっている部分です。
そして、結局その部分はヒゲとして終わっているわけですから、終値では価格は大きく戻したことになります。
そうなると、多くの人は「あれ、予定通りまだまだ下がるはずなのに、おかしい!」と思うわけです。
ダマシも原理的には同じです。
揉み合いの動きが続いていて、長らくレジスタンスとして機能していたラインをブレイクした時。
「ついにブレイクした!これだけ揉み合った後のブレイクなんだから、グングン伸びるだろう!」
こう思っている時に、予想に反して実際の価格が下落していったら、多くの人は焦りますよね。
「あれ、ブレイクだと思ったのにダマシだった!ヤバい、売って逃げないと!」
みたいな感じで。
そうなると、皆がビックリして売りまくるので、大きく下落していくことになります。
このように、FXでも予想外の動きになった時は大きく相場が動くのです。
焦って損切りする人と、それに乗っかる人が現れて、相場の方向性が一致するからですね。
FXトレードが日常と結びつく理由
FXトレードについてあれこれ考える時、僕たちが日常でよく経験するようなことに結び付けて考えると、すんなり理解できることが多々あります。
FXはチャートに数字が並んでいたり、数学的なテクニカル指標が表示されていたりするため、あたかも人間世界とは程遠い、異世界であるかのようなイメージを持ってしまいがちです。
しかし、FX相場は人間の心理によって作られているわけです。
世界中の人が何を考えているかを、テレパシーで読み取ることができれば話は簡単なんですが、それができないからテクニカル指標やライン分析を使って大衆心理を見える化するんです。
複雑なテクニカル指標を使おうとも、そこから読み取ろうとしているものは人間の心理です。
FXのチャートも人間の心理が動かしているのですから、人間世界の日常がFXに落とし込めるということは何も不思議な話ではありません。
まとめ
FXでも日常生活でも、偏見からの逸脱という、予想外の出来事に人の心は大きく動かされます。
長いヒゲやダマシといったパターンを覚えることは大事ですが、機械的にパターンを覚えるだけでは全く応用が効かずに実践で使えません。
「ヒゲが○○pips伸びた時は逆張り」
みたいな覚え方だと、少しでもそのパターンから外れてしまうと使えないからです。
相場は極めてあいまいな世界なので、今回の話に限らず、FXの技術は抽象的な理解を心がけてください。
相場について抽象的に理解し、大衆心理を味方につけたトレードができれば、トレードの成績も大きく向上するはずです!